ご存知でした? ポッドキャスト用フィードに密かに導入された「season」という概念

アメリカのポッドキャスト人気に火をつけた‥‥と言われている「シリアル(SERIAL)」という番組をご存知でしょうか? この番組は「This American Life」という人気ラジオ番組のスピンオフとして制作され、実際に起きた事件を題材にし、まるで犯罪サスペンス系のテレビドラマのようなタッチの番組だったそうです。2014年にシーズン1(全12話)が、翌2015年にはシーズン2(全11話)が、毎週1話ずつのペースで配信され、アメリカのポッドキャスト・リスナー急増のキッカケになった番組と言われています。


この人気番組の内容もさることながら、ここで注目したいのは「シーズンという考え方」の方なんです。海外ドラマなどではおなじみの「シーズン」というフレーズですが、実は Apple が策定するポッドキャスト配信用フィードの仕様にも、昨年「 itunes:season 」というタグが地味に追加されました。それまでは「 itunes:episode 」というタグでしか分類できませんでしたが、season タグの追加によって「この音声ファイルは、シーズン2のエピソード53です」というような宣言が可能になったわけです(ただ、season タグに対応済みのホスティング・サーヴィスはまだほんの一部で、たとえば Seesaaブログなども現時点では未対応となっています)。


今後、このタグがどの程度活用されていくのかはわかりませんが、ポッドキャスト配信に「シーズン」という概念が導入された事はちょっと興味深いですね。たとえば、番組を配信していく中で「出演者が変更になった」とか「番組のコンセプトが変わった」などといった場合に、別の場所に引っ越して新しい番組を始めるのではなく、シーズンを切り替える事で「変わったよ」というメッセージを伝える事が可能になりますし、冒頭にご紹介した「シリアル」のように、シーズンごとに区切って「全○話で完結」という番組構成も可能になります。